消火器の知識
(1)消火器の耐用年数と安全性
消火器の耐用年数は、PL法(製造物責任法)に基づき8年とされています。
通常の場合、製造後8年間は、安全保障付きです 。しかし、管理が悪く腐食したり、使用者が損傷させた場合は、8年以内であっても安全とはいえず、PL法に基づく補償対象からも除外されます。
消火器の点検は、消防設備士や消防設備点検資格者などが実施し、作動点検を6月に1回以上、外観点検を6月に1回以上、機能点検を6月に1回以上、更に総合点検を1年に1回以上の割合で告示の定める基準に従って確認しなければなりません。個人住宅にあっては、法定の義務はありませんが、点検は励行した方が良いです。
不備のある消火器は、この点検の際に整備改修したり、交換することになります。
- 事例1
平成13年3月に名古屋市において、自宅で古い消火器を処分しようと放射したところ、容器の底部が破裂し、その勢いで本体が飛び、顔面を直撃し、79歳の男性が死亡した。 - 事例2
釜石市の某食品工場において、火災が発生。火事の知らせを聞いた工場長は、近くにあった消火器で初期消火をしようとして、レバ-を握ったとたんに容器が破裂。この時、工場長は 胸を強打して死亡した。
(注意)粉末消火器の薬剤の有効期限は、通常5年といわれています。
(2) 消火器の種類と作用(危険要素)
一般的に普及している消火器は、ABC粉末消火器と強化液消火器です。
消火器の種類 | 消火作用 | 危険要素 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
冷却作用 | 窒息作用 | 希釈作用 | 抑制作用 | 火面拡大(油) | 感電危険 | |
水消火器(棒状) | ◎ | ◎ | ◎ | |||
強化液消火器(霧状) | ◎ | ◎ | ◎ | |||
粉末消火器 | ◎ | ◎ | ||||
泡消火器 | ◎ | ◎ | ◎ |
- 白色
普通火災用(A火災用)
例:木材・紙類・繊維類等 - 黄色
油火災用(B火災用)
例:引火性液体 - 青色
電気火災用(C火災用)
例:電線・変圧器・モーター等