○匝瑳市横芝光町消防組合火災調査規程

平成6年8月10日

消防本部訓令第4号

八日市場市外三町消防組合火災調査規程(昭和47年訓令第1号)の全部を次のように改正する。

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 調査業務体制(第4条・第5条)

第3章 調査業務処理の基本

第1節 調査実施上の通則(第6条―第12条)

第2節 基本的事項の処理(第13条―第27条)

第4章 調査業務執行

第1節 火災出動時の調査等(第28条―第30条)

第2節 現場調査(第31条―第40条)

第3節 補足調査(第41条―第47条)

第5章 火災調査書類の作成(第48条)

第6章 補則(第49条―第52条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第7章の規定に基づく火災調査(以下「調査」という。)の執行及び事務処理について必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 火災 人の意図に反して発生し若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要がある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設若しくはこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの又は人の意図に反して発生し若しくは拡大した爆発現象をいう。

(2) 調査 火災現場から火災予防を主とする消防行政施策の資料を収集し、活用するための質問、現場見分、鑑識、鑑定、実験、照会等の一連の行動をいう。

(3) 鑑識 火災の原因及び損害の判定のため、専門的な知識、技術、経験及び機器を活用し、総合的な見地から事実関係を明らかにすることをいう。

(4) 鑑定 火災にかかわる物件の形状、構造、材質、成分、性質及びこれに関連する現象について科学技術的手法により、必要な試験及び実験を行い、その結果をもとに火災原因の判定のための資料を得ることをいう。

(5) 調査員 調査に従事する消防職員をいう。

(6) 関係者等 法第2条第4項に規定する関係者(以下「関係者」という。)、火災の発見者、通報者、初期消火者その他調査の参考となる情報を提供しうる者をいう。

(7) 建物 土地に定着する工作物のうち屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設けた事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設をいい、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。

(8) 建物の収容物 原則として柱、壁等の区画の中心線で囲まれた部分に収容されている物をいう。

(9) 車両 原動機を用いて陸上を移動することを目的として製作された用具であって自動車、汽車、電車及び原動機付自転車をいう。

(10) 被けん引車 原動機によって運行することができる車によってけん引される目的で作られた車をいう(車両にけん引されているリヤカー、荷車その他の軽車両を含む。)

(11) 船舶 独行機能を有する帆船、汽船及び端舟並びに、独行機能を有しない住居船、倉庫舶、はしけ等をいう。

(12) 航空機 人が乗って航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船等の機器をいう。

(13) 森林 木竹が集団して生育している土地及びその土地の上にある立木竹並びにこれらの土地以外で木竹の集団的な生育に供する土地をいい、主として農地又は住宅地若しくはこれに準ずる土地として使用される土地及びこれらの上にある立木竹を除く。

(14) 原野 雑草又はかん木類が自然に生育している土地で人が利用しないものをいう。

(15) 牧野 主として家畜の放牧又は家畜の飼料若しくは敷料の採取の目的に供される土地(耕地の目的に供される土地を除く。)をいう。

(16) 建物の用途 建物が占用されている目的をいう。

(17) 事業所 工場、店舗、病院、事務所等、1区画を占めて物の生産、販売又はサービスの提供が業として行われる個々の場所をいう。

(18) 業態 原則として、事業所において業として行われている事業の態様をいう(教育、宗教、公務、非営利団体等の諸活動を含む。ただし、家庭内における主婦の家事労働を除く。)

(19) 発火源 出火に直接関係し、又はそれ自体から出火したものをいう。

(20) 経過 出火に関係した現象、状態又は行為をいう。

(21) 着火物 発火源によって最初に着火したものをいう。

(22) 出火箇所 火災の発生した場所をいう。

(23) 爆発現象 化学的変化による爆発の一つの形態であり、急速に進行する化学反応によって多量のガスと熱とを発生し、爆鳴、火炎及び破壊作用を伴う現象をいう。

(調査の区分及び範囲)

第3条 調査の区分は、次の各号に掲げる区分とし、その範囲は当該各号に定めるとおりとする。

(1) 火災原因調査

 出火原因 火災に至った発火源、経過及び着火物並びに出火箇所の状況

 発見、通報及び初期消火状況 発見の動機、通報及び初期消火の一連の行動経過

 延焼状況 建物火災の延焼経路、延焼拡大要因等

 避難状況 避難経路、避難上の支障要因等

 消防用設備等の状況 消火設備、警報設備及び避難設備の使用、作動等の状況

(2) 火災損害調査

 焼き損害 火災の火炎、高熱等によって焼けた、壊れた、すすけた、変質したもの等の損害

 消火損害 火災の消火行為に付随して発生する水損、破損、汚損等のものの損害

 爆発損害 爆発現象の破壊作用によって発生した損害のうち、焼き損害又は消火損害以外の損害

 人的損害 火災による死者及び負傷者

2 前項の調査は、人的行動のほか、建築物、工作物及び建築設備並びに火気使用設備機器等の構造、機能、材質等に着目し、製造、施行及び保守管理の状況を調べるとともに、当該消防対象物の工事、防火管理、消防用設備等の状況及び火元が住宅の場合は、住宅防火対策を併せて調べるものとする。

第2章 調査業務体制

(調査体制の確立と資質の向上)

第4条 消防長は、常に人員及び機材を整備し、調査業務執行体制の万全を図るとともに、調査員に対して教養の徹底、研究会の開催及び自己啓発の助長等により、その資質の向上を図るよう努めなければならない。

(調査の主体)

第4条の2 調査の主体は、原則として火災の発生した地域を管轄する消防署長(以下「署長」という。)とする。

(調査員の責務)

第5条 調査員は、調査を行うために必要な科学的知識、技術を修得し、調査業務の推進に努めなければならない。

第3章 調査業務処理の基本

第1節 調査実施上の通則

(調査の原則)

第6条 調査は、物的証拠を主体とし、科学的方法による合理的な事実の解明でなければならない。

(関係者等への対応)

第7条 調査に当たっては、関係者等に対して公平及び公正を基本とし、穏健妥当な方法により協力を得るように努めなければならない。

(立入りの原則)

第8条 調査員は、関係者等の立会いを得て、現場その他関係ある場所に立入ることを原則とする。

(質問)

第9条 質問を行うに当たっては、場所、時期等を考慮して被質問者の任意の申述を得るようにしなければならない。

2 質問を行うに当たっては、自己が期待し、又は希望する申述内容を相手方に暗示する等の方法により誘導してはならない。

3 伝聞による申述で調査上必要なものは、その事実を直接経験した者の申述を得るようにしなければならない。

(少年等に対する特則)

第10条 少年(18歳未満の者。以下同じ。)の関係する火災の調査を行うに当たっては、少年の将来を考慮し、恩情と理解をもって当たらなければならない。

2 少年は、現場見分の立会人としてはならない。

3 少年に対する質問は、立会人をおいて行わなければならない。

4 前2項の規定にかかわらず、年齢、心情その他諸般の事情により支障がないと認める場合及び立会人を置くことにより真実の申述が得られないと判断される場合は、一般の例によることができる。

5 心神そう失、心神こう弱にある者又はろうあ者の関係する火災の調査は、前項を準用する。

(資料、情報の収集)

第11条 調査員は、関係者等について調査上必要な情報を収集し、資料を確保しなければならない。

(調査記録)

第12条 調査員は、調査の結果その他の参考事項を記録しておかなければならない。

第2節 基本的事項の処理

(火災件数の扱い)

第13条 1件の火災とは、一つの出火点から拡大したもので、出火に始まり鎮火するまでをいう。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

(1) 飛火による火災及び同一の消防対象物で火災現場から消防隊が引き揚げた後に発生した場合は、別件の火災とする。

(2) 意志の連絡のない2人以上の者の放火等の原因に基づくものである場合は、別件の火災とする。

(3) 同一の消防対象物に出火点が2箇所以上ある次の火災は、1件の火災とする。

 漏電点が同一の漏電に基づく同時出火による火災

 地震、落雷等による多発火災であっても、同一の消防対象物から出火した火災

(火災の種別)

第14条 火災の種別は、次の各号に掲げるとおりとし、その内容は当該各号に定めるとおりとする。

(1) 建物火災 建物又はその収容物が焼損した火災をいう。

(2) 車両火災 自動車車両、鉄道車両及び被けん引車又はこれらの積載物が焼損した火災をいう。

 自動車車両 鉄道車両以外の車両で、原動機によって運行することができる車両をいう。

 鉄道車両 鉄道事業法(昭和61年法律第92号)に基づく旅客、貨物の運送を行うための車両又はこれに類する車両をいう。

(3) 船舶火災 船舶又はその積載物が焼損した火災をいう。

(4) 航空機火災 航空機又はその積載物が焼損した火災をいう。

(5) 林野火災 森林、原野又は牧野が焼損した火災をいう。

(6) その他の火災 前各号以外の物が焼損した火災をいう。

2 前各号の火災が複合する場合の火災の種別は、焼き損害額の大なるものによる。ただし、その態様により焼き損害額の大なるものの種別によることが社会通念上適当でないと認められるときは、この限りではない。

3 前項の焼き損害額が同額又は算出されない場合は、火元の火災の種別による。

4 爆発損害のみの火災の種別は、前3項に準ずるものとする。

(出火月日時分の決定)

第14条の2 出火月日時分の決定は、関係者の火災発見状況、通報(覚知)月日時分及び消防対象物の構造、材質、状態、火気取扱等を総合的に検討し、合理的な月日時分とする。ただし、自然鎮火した事後聞知火災でその決定が困難な場合は、出火月日時分を不明とすることができる。

(焼損の程度)

第15条 建物の焼損程度は、1棟ごとに次の各号に掲げるとおりとし、その内容は当該各号に定めるとおりとする。

(1) 全焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の70パーセント以上のもの又はこれ未満であっても残存部分に補修を加えて再使用できないものをいう。

(2) 半焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の20パーセント以上のもので全焼に該当しないものをいう。

(3) 部分焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の20パーセント未満のものでぼやに該当しないものをいう。

(4) ぼや 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の10パーセント未満であり焼損床面積が1平方メートル未満のもの、建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の10パーセント未満であり焼損の表面積が1平方メートル未満のもの又は収容物のみ焼損したものをいう。

(建物の構造)

第16条 建物の構造別は、次の各号に掲げるとおりとし、その内容は当該各号に定めるとおりとする。

(1) 木造建物 柱及び梁が主として木で造られたもの(防火構造建物を除く。)

(2) 防火構造建物 屋根、外壁及び軒裏が建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「建基法」という。)第2条第8号に規定する構造のもの

(3) 耐火建物 建基法第2条第9号の2に規定する構造のもの

(4) 準耐火建物(木造) 建基法第2条第9号の3に規定する構造のもののうち、柱及び梁が主として木造のもの。ただし、同号ロに規定するもののうち柱、梁の一部が木造のものを除く。

(5) 準耐火建物(非木造) 建基法第2条第9号の3に規定する構造のもののうち、前号以外のもの

(6) その他の建物 前各号に該当しない構造のもの

(建物としての取扱いの基準)

第17条 建物として取り扱う最低限度のものは、原則として床面積1.5平方メートル以上のもので通常人が容易に出入りできる高さを有するものでなければならない。ただし、用途、機能、構造等から建物として取り扱うことが不適当なものを除くものとする。

(建物の棟の取扱い)

第18条 建物の棟の取扱いは、次に掲げるとおりとする。

(1) 主体構造(外壁、梁、柱、小屋組及び屋根)が一体となっているものは、1棟とする。ただし、渡り廊下の類で2以上の棟に接続しているものは、その部分を折半して各棟と同一棟とみなす。

(2) 母家の外壁を利用して下屋を作り、物置、風呂場等に使用しているものは、母家と同一棟とする。

(3) 構造のいかんにかかわらず、屋根及び小屋組が一体となっているものは、同一棟とする。

(4) 木造建物又は防火構造建物の一部に耐火構造の階段室、車庫等があっても、それらが建物の機能上一体である場合は、同一棟とする。

(5) 木造建物又は防火構造建物が防火壁で区画されていて、建物の機能上一体である場合は、同一棟とする。

(6) 独立した建物と建物との間に日除け又は雨除けのために屋蓋を設け、その下を通路等に使用している場合は、別棟とする。

(7) 耐火建物の屋上に木造建物又は防火構造建物がある場合は、別棟とする。ただし、それらが建物の機能上一体(内階段のある場合)である場合は、同一棟とする。

(8) 耐火建物の外壁を利用して、木造建物又は防火構造建物が建っている場合は、別棟とする。ただし、主たる建物に付着した建物の屋外からの出入口がない場合及び機械設備が双方に連続している場合等建物機能上一体である場合は、同一棟とする。

(階数の算定)

第19条 建物の階数の算定は、建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第2条第1項第8号に定めるところによるものとする。

(世帯の算定)

第20条 世帯の算定は、住居及び生計を共にしている人の集まり及び1戸を構えて住んでいる単身者を一つの世帯とし、次の各号に掲げるものについては当該各号に定めるところによる。

(1) 雇主と住居を共にする単身の住み込みの雇人については、人数に関係なく全ての雇主の世帯とする。

(2) 一般世帯と住居を共にし、別に生計を維持している単身者、又は下宿屋などに下宿している単身者の一人一人を一つの世帯とする。

(3) 会社、団体、商店、官公庁等の寄宿舎、独身寮等で起居を共にしている単身者の一人一人を一つの世帯とする。

(4) 学校の寮又は寄宿舎で起居を共にし、通学している学生又は生徒を、その寮又は寄宿舎の棟ごとにまとめて一つの世帯とする。

(5) 病院、診療所等、既に3か月以上入院患者を、原則として施設ごとにまとめて一つの世帯とする。

(6) 老人ホーム、肢体不自由者更生施設等の入所者を、その施設の棟ごとにまとめて一つの世帯とする。

(7) その営舎内又は艦船内の居住者を隊ごとに一つの世帯とする。

(8) 刑務所及び拘置所の収容者並びに少年院及び婦人補導院の在院者は、棟ごとに一つの世帯とする。

2 旅館、ホテル及び簡易宿泊所に常住する目的をもって居住している単身者で、3か月以上にわたり継続して宿泊している者については、棟ごとにまとめて一つの世帯とする。

3 前2項のほか、世帯数の算定方法については、国勢調査令(昭和55年政令第98号)等の例によるものとする。

(世帯のり災程度)

第21条 世帯のり災程度は、1世帯ごとに次の各号に掲げるとおりとし、その内容は当該各号に定めるとおりとする。

(1) 全損 建物(収容物を含む。以下この号から第3号までにおいて同じ。)の火災損害額がり災前の建物の評価額の70パーセント以上のものをいう。

(2) 半損 建物の火災損害額がり災前の建物の評価額の20パーセント以上で全損に該当しないものをいう。

(3) 小損 建物の火災損害額がり災前の建物の評価額の20パーセント未満のものをいう。

(損害額の算定の基準)

第22条 損害額は、次のとおり区分して算定するものとする。

(1) 建物は、規模、構造、仕上げ要素その他の状況に応じ、り災時における再建築費単価を算出し、建物の耐用年数、経過年数及び損耗の程度を考慮して、減価償却の方法による。

(2) 車両、船舶、航空機、建築物、機械装置、器具、備品等は、取得価格を基準とし、耐用年数及び経過年数に応じた減価償却の方法による。

(3) 家具、じゅう器、衣類、寝具、器具、工具等は、取得価格、使用年数及び使用状況を考慮して償却した価格による。

(4) 書画、骨董品、美術工芸品、貴金及び宝石類は、社会通念上評価されている価格による。

(5) 商品は、り災時における販売価格による。

(6) 製品及び半製品は、原料又は材料の価格に工賃を加算した原価による。

(7) 原料及び材料は、購入したものは仕入価格、自家製造のものは原価による。

(8) 前各号以外の物件は、り災時の価格による。

(焼損面積等の算定)

第23条 建物の焼損面積は、焼損床面積及び焼損表面積に区分して算定するものとする。

2 水損、破損及び汚損の場合は、前項に準ずるものとする。

(死傷者の範囲)

第24条 火災による死者又は負傷者の範囲は、火災現場において火災に直接起因して死亡した者(病死者を除く。)又は負傷した者とする。ただし、消防職員及び消防団員にあっては、火災を覚知した時から現場を引き揚げる時までの間に死亡又は負傷した者とする。

2 火災により負傷した後48時間以内に死亡した者は、火災による死者として取り扱うものとする。

3 負傷者のうちで火災に起因する原因により48時間を経過して30日以内に死亡した者は、30日死者として取り扱うものとする。

(負傷の程度)

第25条 負傷の程度は、重症、中等症及び軽症の3種に区分し、その基準は、救急事故等報告要領(昭和39年自消甲教発第18号)に定めるところによる。

(用途別分類)

第26条 用途別分類は、火災報告取扱要領(平成6年消防災第100号消防庁長官通知。以下「取扱要領」という。)に基づき1対象物ごとに適用する。

(業態別分類)

第27条 業態別分類は、取扱要領に基づき1事業所ごとに適用する。

第4章 調査業務執行

第1節 火災出動時の調査等

(調査の着手等)

第28条 調査員は、努めて火災の覚知とともに、調査活動を開始しなければならない。

2 調査員は、出動途上及び現場において関係者等への質問及び現場の状況から火気管理、発見、通報、初期消火、避難、死傷者、消防対象物のり災状況、消防用設備等の使用又は作動状況等の火災概要を把握し、事後の現場調査の円滑な進行に努めなければならない。

(現場保存区域の設定)

第29条 署長は、現場調査のため法第28条に規定する消防警戒区域(以下「現場保存区域」という。)を設定し、現場の原状確保を期するものとする。

2 現場保存区域は、必要最小限の範囲にとどめるものとする。

3 現場保存区域は、立札等を掲出し、ロープ等によりその範囲を明確にするものとする。

4 現場保存区域内に関係者又は電気、ガス、水道業の工事人その他を立ち入らせる場合は、職員を立ち会わせるものとする。

5 現場保存区域を設定して関係者等の立ち入りを禁止し、又は制限する場合は、警察官と連絡を密にし、行うものとする。

(現場の保存)

第30条 署長は、消火活動等をするに当たって、物を移動し、又は破壊する場合は最小限にとどめ、現場がわかるよう写真撮影その他の記録を行い、調査のため必要な措置を講ずるよう努めるとともに、保存に最大の配慮をしなければならない。

2 職員は、火災現場の物件等をみだりに移動し、又は破壊してはならない。

第2節 現場調査

(調査の指揮)

第31条 署長は、調査の進行の万全を期すため指揮者を定めなければならない。

2 前項の指揮者は、現場見分、写真撮影、図面作成等の各担当者を定め、組織的に調査の進行を図るものとする。

(現場立会人)

第32条 現場の調査は、関係者を現場立会人として実施しなければならない。ただし、特別な事情により関係者が不在でやむを得ない場合は、警察官、関係者の近親者その他適当な者を立会人とすることができる。

2 現場立会人は、見分しようとする場所、物件に直接関係する者を優先しなければならない。

3 火災現場において調査のため必要がある場合は、関係者の了解を得て関係物件の製造者等を立会人とすることができる。

4 前各号の規定により現場の立会を求めた場合は、安全管理、健康管理、言動等に細心の配慮をしなければならない。

5 第7条から第10条までの規定は本条において準用する。

(質問等)

第33条 調査員は、関係者等に対して調査上必要な事項を質問して火災状況の把握に努めなければならない。

2 調査員は、警察官に逮捕された放火又は失火の犯罪の被疑者に対して質問するときは、所轄の警察署長の承諾を得て行い、捜査に支障を及ぼさないように留意しなければならない。

3 前項の規定による質問又は証拠物件の調査をするときは、質問・証拠物件調査要請書(第1号様式)によりあらかじめ承諾を得るものとする。

(火災損害調査)

第34条 調査の指揮者は、調査員に現場における消防対象物のり災状況及び死傷者の発生状況を把握させるとともに、必要と認める場合はり災した消防対象物の関係者に対して次に掲げるり災申告書により申告を求めるものとする。

(1) 不動産り災申告書(第2号様式)

(2) 動産り災申告書(第3号様式)

(3) 林野、その他り災申告書(第4号様式)

(4) 車両、船舶、航空機り災申告書(第5号様式)

2 前項のり災申告書を求めることができない場合又は被害が軽微でその必要がない場合は、火災損害状況調査書(第6号様式)を作成しなければならない。

(火災原因調査)

第35条 調査の指揮者は、調査員に出火原因、延焼状況、避難状況、消防用設備等の状況等の火災原因調査を実施させるものとする。

2 前項の火災原因調査は、第28条の規定による火災出動時の見分状況並びに第33条第36条から第40条まで及び第3節に規定する補足調査の結果を総合的に検討して、科学的に考察を加えなければならない。

3 調査員は、第3条に定める事項について現場見分を行ったときは、現場(鑑識)見分調査書(第7号様式)を作成するものとする。

(出火範囲等の限定)

第36条 出火範囲の限定は、現場の消防対象物の焼損状況、発見時の燃焼状況、消防隊到着時の燃焼状況等から出火建物及び出火範囲を順次限定するものとする。

(現場発掘)

第37条 現場発掘は、出火範囲として限定した区域を周囲から出火箇所付近へ順次実施するものとする。

2 現場見分に伴う発掘に際しては、立会人の申述に基づく物品配置等に留意し、関係物件の原状確保に細心の配慮をしなければならない。

(復元)

第38条 前条の発掘は、常に復元的観点に立って行われなければならない。

(出火原因等の検討及び物件の鑑識等)

第39条 現場発掘の結果、出火箇所が判定された段階において出火原因の検討を行うものとする。

2 前項の検討は、現場から発掘された物件等の鑑識結果並びに出火箇所付近の焼損状況及び燃焼経路を参考として行われなければならない。

3 調査員は、鑑識を行ったときは、現場(鑑識)見分調査書を作成するものとする。

4 調査員は、調査に関する実験を行ったときは、実験結果報告書(第8号様式)を作成するものとする。

(関係物件の確保)

第40条 鑑識の結果、現場において火災原因等の究明が困難と思われる場合は、関係者の了解を得て資料を確保するものとする。

2 前項により資料の確保をする場合は、原則として任意によるものとする。

第3節 補足調査

(資料提出命令)

第41条 消防長は、前条の規定による資料確保が困難と思われる場合は、資料提出命令書(第9号様式)による資料の提出を命ずるものとする。

(資料保管書及び資料の確保)

第42条 消防長は、前条の規定により資料の提出があった場合は、鑑識・鑑定処分承諾書(第10号様式)により鑑識又は鑑定を行うことについて関係者の承諾を得ることとする。この場合において、消防長は、提出者に対して資料保管書(第11号様式)を交付しなければならない。

2 前項に規定する資料は、保管票(第12号様式)を作成し、保管品台帳(第13号様式)に記載してこれを保管しておかなければならない。

(保管品の返還)

第43条 前条第1項に規定する資料を返還する場合は、資料保管書と引換えに行うものとする。

(確保資料の鑑定依頼)

第44条 消防長は、第40条から第42条までの規定により確保又は保管した資料について、鑑定を必要と認めた場合は、鑑定依頼書(第14号様式)により関係機関等に対して当該資料の鑑定を依頼することができる。

(官公署への照会)

第45条 消防長は、官公署に対して調査に関する事項を照会する場合は、火災調査関係事項照会書(第15号様式)により行うものとする。

(り災申告書の受理)

第46条 消防長は、関係者から第34条第1項各号に規定するり災申告書が提出された場合は、これを受理するものとする。ただし、現場における消防対象物のり災状況調査の内容と当該り災申告書の内容が著しく異なる場合は、質問等によりその矛盾を明らかにし、訂正を求めた後、受理するものとする。

(損害額の算定)

第47条 損害額の算定は、第34条第1項の規定による消防対象物のり災状況調査結果、同条2項に規定する火災損害状況調査書の内容及び前条の規定により受理した各り災申告書の内容を参考として第22条の規定による基準により算出するものとする。

第5章 火災調査書類の作成

(調査書類)

第48条 調査に必要な書類(以下「調査書類」という。)は、次に掲げるとおりとする。

(1) 火災原因調査表(第16号様式)

(2) 現場(鑑識)見分調査書

(3) 実験結果報告書

(4) 質問調査書(第17号様式)

(5) 火災原因判定書(第18号様式)

(6) 火災出動時における見分調査書(第19号様式)

(7) 火災調査書(第20号様式)

(8) 火災損害調査書(第21号様式)

(9) 火災損害状況調査書

(10) 死傷者調査書(第22号様式)

(11) 消防対策資料(第23号様式)

2 建物火災以外の火災については、次に掲げる調査書類を作成するものとする。

(1) 火災原因調査表

(2) 現場(鑑識)見分調査書

(3) 実験結果報告書

(4) 質問調査書

(5) 火災原因判定書

(6) 火災調査書

(7) 火災損害状況調査書

(8) 死傷者調査書

3 調査書類には、調査の内容を明らかにするため、必要な写真及び図面を添付するものとし、当該写真のネガ等については保存しておくものとする。

4 前項の規定により、写真を添付するときは、写真貼付用紙(第24号様式)に当該写真を貼り付けるものとする。ただし、小規模な火災で、かつ、出火原因が明らかな場合は、火災原因調査書に当該写真を貼り付けることができる。

第6章 補則

(証人、参考人としての出頭)

第49条 職員は、自己の担当した調査に関して捜査機関から参考人として出頭を要請され又は裁判所から証人として呼び出し、召喚を受けた場合は、消防長にその事案概要を即報しなければならない。

2 前項により出頭した結果についても同様とする。

(調査結果の活用)

第50条 消防長は、調査結果を分析及び検討して、火災の実態を明らかにするとともに、消防行政に活用できる資料の整備に努めなければならない。

(調査結果の報告)

第51条 消防長は、調査結果を次に掲げるところにより報告をするものとする。

(1) 消防庁及び千葉県への報告

 電気用品及び燃焼機器に係る火災等事故報告

 火災報告及び死者の調査表による報告

 火災、災害等の即報の報告

 火災詳報による報告

(2) 管内市町長への報告 火災月報(第25号様式)

(3) その他特に必要と認める報告

(準用規定等)

第52条 この訓令は、その他の災害について準用するものとする。

2 この訓令に定めるもののほか、取扱要領の例によるものとする。

この本部訓令は、平成7年1月1日から施行する。

(平成18年3月24日訓令第17号)

この訓令は、平成18年3月27日から施行する。

(平成25年3月13日訓令第5号)

この訓令は、平成25年4月1日から施行する。

(平成25年10月31日訓令第9号)

(施行期日)

1 この訓令は、平成25年12月1日から施行する。

(平成28年3月31日訓令第4号)

この訓令は、平成28年4月1日から施行する。

(平成29年2月23日訓令第1号)

この訓令は、公示の日から施行する。

(平成30年3月1日訓令第1号)

この訓令は、公示の日から施行する。

(令和元年5月31日訓令第1号)

(施行期日)

1 この訓令は、令和元年6月1日から施行する。

(経過措置)

2 この訓令の施行の際、改正前の訓令(以下「旧訓令」という。)の規定により調製され、使用されている用紙は、改正後の訓令の規定による用紙とみなす。

3 この訓令の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに、旧訓令の規定により調製した用紙は、施行日以後においても、当分の間、所要の調整をして使用することができる。

(令和2年3月31日訓令第2号)

この訓令は、令和2年4月1日から施行する。

(令和2年11月10日訓令第6号)

この訓令は、公示の日から施行する。

(令和3年3月29日訓令第5号)

(施行期日)

1 この訓令は、令和3年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この訓令の施行の際、改正前の訓令(以下「旧訓令」という。)の規定により調製され、使用されている用紙は、改正後の訓令の規定による用紙とみなす。

3 この訓令の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに、旧訓令の規定により調製した用紙は、施行日以後においても、当分の間、所要の調整をして使用することができる。

(令和5年3月24日訓令第1号)

(施行期日)

1 この訓令は、令和5年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この訓令の施行の際、改正前の訓令(以下「旧訓令」という。)の規定により調製され、使用されている用紙は、改正後の訓令の規定による用紙とみなす。

3 この訓令の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに、旧訓令の規定により調製した用紙は、施行日以後においても、当分の間、所要の調整をして使用することができる。

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匝瑳市横芝光町消防組合火災調査規程

平成6年8月10日 消防本部訓令第4号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第7類 防/第1章
沿革情報
平成6年8月10日 消防本部訓令第4号
平成18年3月24日 訓令第17号
平成25年3月13日 訓令第5号
平成25年10月31日 訓令第9号
平成28年3月31日 訓令第4号
平成29年2月23日 訓令第1号
平成30年3月1日 訓令第1号
令和元年5月31日 訓令第1号
令和2年3月31日 訓令第2号
令和2年11月10日 訓令第6号
令和3年3月29日 訓令第5号
令和5年3月24日 訓令第1号